top of page

診察券をカードプリンターで内製する完全ガイド|紙・パウチ運用からプラスチックカードへの移行を徹底解説

  • 執筆者の写真: star-sakurai
    star-sakurai
  • 5月29日
  • 読了時間: 12分
診察券をカードプリンターで内製する完全ガイド

医療機関の開業時、診察券を「とりあえず」印刷した紙にパウチ(ラミネート)加工して作ることにし、時間が経っても見直されず、そのままの運用になっているケースは少なくありません。患者数の増加に伴い「トータルコスト」「耐久性」「業務効率」の3点において大きな負担となっているケースが増えています。

近年、カードプリンターの価格が手の届きやすい水準まで下がり、操作も大幅に簡便化されています。そのため、「院内でのプラスチックカードの内製」が現実的な選択肢として広がっています。

本記事では、紙+パウチ運用からプラスチックカード内製への移行を検討している医療機関の方に向けて、導入の判断から運用開始までに必要な情報をわかりやすく解説します。

1. 紙+パウチ運用が抱える3つの課題

① 手間とコストが見えにくく積み重なっている

紙への印刷・ラミネート加工・カットは、1つ1つの作業時間は短くても複数の工程を要し、毎日の初診対応や再発行のたびにスタッフの業務を圧迫します。用紙・ラミネートフィルム・プリンターインクといった消耗品コストも、個別に見ると安価のため見逃されがちですが、年間で合計すると無視できない金額になります。


② 耐久性が低く、再発行が必要となる

パウチ加工した診察券は、財布やカードケースへの出し入れや保管に対する耐久性が十分ではありません。端が剥がれる・折れ曲がる・湿気で変形するといったトラブルが起きやすく、その都度再発行の手間がかかることになります。


③ 磁気ストライプへの対応ができない

自動再来受付機や自動精算機との連携のために磁気ストライプ付きカードが必要な場合、紙+パウチ運用では対応できません。システムの高度化・DX化を進めようとした際に、紙+パウチという診察券のフォーマットが障壁となってしまいます。



2. プラスチックカード内製化で得られる3つのメリット

① ランニングコストを管理しやすくなり、即時発行が可能となる

紙+パウチ運用では、複数の消耗品コストと人的コストが混在しているため、実態の把握が難しくなりがちです。カードプリンターでの内製に切り替えることで、消耗品は「カード」と「インクリボン」という2種類のみとなり、また、作業工程が減り、コスト管理と予算計画が立てやすくなります。作業工程が減ることで、発行までの時間が短縮され、患者を待たせることなく対応できるようになります。


② 磁気カードへの対応が可能になる

プラスチックカードへの移行により、磁気ストライプのデータ書き込みに対応できるようになります。自動再来受付機・自動精算機との連携ができる体制が整い、新システム導入やDX推進のきっかけにつながります。


③ 磁気カードへの対応が可能になる

プラスチックカードへの移行により、磁気ストライプのデータ書き込みに対応できるようになります。自動再来受付機・自動精算機との連携ができる体制が整い、新システム導入やDX推進のきっかけにつながります。



3. プラスチックカード内製の注意点

初期費用が発生する

カードプリンター本体の購入費用と、初回のカード在庫やインクリボンの費用が必要です。発行枚数が少ない場合は、初期費用回収までの期間が長くなることを踏まえたうえで導入をご検討ください。


機器の運用・メンテナンスを自院で行う必要がある

新たな機器の操作方法習得や定期的なヘッドクリーニングなど、これまでになかった作業が発生します。これらに不安を感じる場合は、保守サービス付きの機種や販売店を選ぶと良いでしょう。



4. プラスチック内製の運用方法|プレ印刷運用とフルカラー印刷運用の違い

プラスチックカードの内製には、大きく分けて2つの運用方法があります。それぞれの特性を正しく理解したうえで、自院に合った方法を選ぶことが重要です。


プレ印刷運用(プレ印刷カード+追加印刷)

医療機関での診察券発行において広く採用されている運用方式です。

医院のロゴ・デザイン・共通情報をあらかじめ外注でオフセット印刷した「プレ印刷カード」を用意しておき、発行のたびに患者氏名・患者番号などの可変情報だけを黒インクリボンで追記印刷します。

黒インクリボンのみを使用するため印刷時間が非常に短く、混雑する受付時間帯でもスムーズに対応できます。この運用方式は、発行スピードの速さと仕上がりの安定感に利点がありますが、プレ印刷のコスト踏まえた上での導入検討が必要となります。


フルカラー印刷運用

プレ印刷カードを用意せず、デザインから患者情報まですべてをカードプリンターで印刷する方法です。

プレ印刷カードの製造コストが不要なためランニングコストを抑えやすく、両面印刷(表面カラー・裏面モノクロ)でも1枚あたり100円以下での運用が可能です。

カードのデザインをいつでも自由に変更できるため、開業直後でデザインが固まっていない時期や、発行枚数が少ないクリニックにも取り組みやすい方法です。



5. カードプリンターの印刷方式の特徴と医療機関に選択方法

ダイレクト印刷方式(昇華転写・熱溶融転写)

カード表面に直接インクリボンのインクを転写するダイレクト印刷方式は、本体価格・消耗品コストともに抑えられ、また、コンパクトな機種が多いため受付カウンターへの設置にも適しています。プレ印刷運用・フルカラー印刷運用のどちらにも対応しており、診察券の内製において広く採用されている方式です。ただし、カードの端までは印刷できず、若干の余白が発生します。


再転写方式

一度フィルムに印刷した情報をカード全面に熱転写する再転写方式は、カードの端から端まで余白なく全面印刷が可能という技術的な特徴があります。本体価格はダイレクト印刷方式より高額になります。


選択方法

使用するカードの素材・規格と、印刷範囲の要件によって決まります。一般的なPVCカードへの印刷であれば、ダイレクト印刷方式で十分対応可能です。カードの端まで余白なく印刷したい場合は、再転写方式が適しています。



6. 診察券カードプリンターを選ぶ際の4つのチェックポイント

① 電子カルテ・レセコンとの連携対応

自院が使用している電子カルテやレセコンと連携できるかどうかは、最初に確認すべき項目です。連携が実現できれば、患者情報の自動取り込みによる発行が可能になり、手入力によるミスや担当者の業務負荷を大幅に削減できます。


② 磁気カードへの対応と機種選定

磁気ストライプへのデータ書き込みが必要な場合は、機種選定の際に注意が必要です。診察券の磁気ストライプは表面に配置されているケースが多く、その際は表面への磁気データ書き込みに対応した機種を選ぶ必要があります。対応できる機種とできない機種があるため、磁気カード運用を予定している場合は事前にご確認ください。


③ プレ印刷運用かフルカラー印刷運用かによるランニングコストの試算

どちらの運用方法を選ぶかによって年間コストは大きく変わります。プレ印刷した場合のカードの製造単価・黒インクリボンの単価、フルカラー印刷した場合のカラーインクリボンの単価を比較し、自院の発行規模に合った運用方法をお選びください。


④ 保守・サポート体制

診察時間中の機器トラブルは、受付業務の停滞に直結するリスクです。修理対応の早さ・代替機貸出しの有無・サポート窓口の充実度など、購入後のサポート内容を事前に確認しておくことが重要です。



7. 導入の流れ|ステップごとに解説

STEP 1|現在の紙+パウチ運用のコストを可視化する

用紙・ラミネートフィルム・インク・作業時間のコストを月単位で洗い出します。「手間がかかっている」という感覚を数字に落とし込むことで、プラスチックカード化の効果が明確になります。


STEP 2|磁気カード対応の要否を決定する

現在の運用、および将来の設備投資計画(自動再来受付機・自動精算機など)を踏まえ、磁気ストライプへの対応が必要かどうかをこの段階で確定させます。ここでの判断が機種選定に直結するため、慎重にご検討ください。


STEP 3|レセコン・電子カルテとの連携可否を確認する

自院のシステムベンダーに対して、候補機種との連携実績やCSV出力の仕様を確認します。連携の自動化が難しい場合でも、手動でのCSV読み込みによる半自動運用で対応できるケースがほとんどです。


STEP 4|運用方法を決定し、必要に応じてプレ印刷カードを発注する

プレ印刷運用を採用する場合は、デザインを確定させたうえでプレ印刷カードを発注します。プレ印刷デザインの変更には追加の費用が発生してしまうため、間違いがないように複数のスタッフで最終確認を行ってから入稿することを推奨します。

フルカラー印刷運用を選ぶ場合は、このステップは不要です。


STEP 5|機種を選定し、デモ機でテスト印刷を行う

候補機種で、実際のカードにテスト印刷を行います。印字品質や磁気データ書き込みの動作確認を現物で検証してからプリンターを発注することが、トラブル防止につながります。


STEP 6|スタッフ研修・運用ルールの整備と本稼働

操作手順書の整備とスタッフへの研修を行い、消耗品の発注基準・在庫管理・トラブル時の対応フローを決めてから本稼働に移行します。特にプレ印刷カードの在庫切れは即座に発行停止につながるため、発注タイミングのルール化は必須です。



8. 診察券を内製するなら『カードプリンターGRASYS(グラシス)』

診察券のプラスチックカード内製を具体的に検討する際の選択肢として、桜井株式会社が取り扱うGRASYS(グラシス)をご紹介します。2009年の国内販売開始から5,500台以上の導入実績を持つカードプリンターで、総合病院からクリニック・動物病院まで幅広い医療機関での採用実績があります。

印刷方式は、ダイレクト印刷方式(昇華転写・熱溶融転写)を採用しており、プレ印刷運用・フルカラー印刷運用のどちらにも対応しています。機種は、年間発行枚数が800枚未満を目安とする少量発行向けのID170シリーズと、800枚以上を目安とする大量発行向けのID200シリーズの2種類から選択可能です。


磁気ストライプが表面に配置された診察券の運用を予定している場合は、ID200シリーズをお選びください。オプションの自動印刷ソフトを組み合わせることで、レセコン・電子カルテからのCSV書き出しによる診察券の自動発行にも対応できます。

デザイン&差し込み印刷ソフトと1年保証が本体に無償付属しており、全国の拠点からの出張無料デモも行っています。導入前に実際の印刷品質と操作感を確認したい方は、お気軽にお問い合わせください。


9. よくある質問(FAQ)

Q1. 発行枚数が少ないクリニックでもプラスチックカード化するメリットはありますか?

枚数が少なくても「耐久性の向上」「患者への印象向上」などのメリットは発行枚数に関係なく得られます。患者との最初の接点となる診察券の品質は自院の第一印象を形成するため、少量であっても移行の価値は十分あります。GRASYSでは1枚から簡単に発行できる設計になっているため、小規模クリニックにも無理なく導入を始められます。

Q2. 紙+パウチからの移行で、既存の受付システムはそのまま使えますか?

多くの場合、既存のレセコンや電子カルテはそのまま使用できます。カードプリンター側でCSVファイルを読み込む形での連携が一般的であり、受付システム側への大きな変更は不要です。ただし、磁気カードへの切り替えを伴う場合は、読み取り機器側の対応確認も必要になります。GRASYSではオプションの自動印刷ソフトを使うことで、レセコンからのCSV書き出しによる自動発行にも対応可能です。

Q3. プレ印刷カードはどこで作れますか?

プレ印刷カードは、カードプリンターの販売会社や印刷会社に発注するのが一般的です。初回はまとまった枚数での発注となることが多いため、デザインが確定してから発注することが重要です。GRASYSを取り扱う桜井株式会社でも、プレ印刷カードの作成に関するご相談を承っております。

Q4. プレ印刷運用とフルカラー印刷運用、どちらがコストを抑えられますか?

ランニングコストだけで比較すると、プレ印刷カードの製造費が不要なフルカラー印刷運用の方が抑えやすくなります。一方、プレ印刷運用は発行スピードの速さ(GRASYSの場合約4秒/枚)と仕上がりの安定感が主なメリットです。自院の発行枚数・運用スタイル・重視するポイントに応じて、どちらが適しているかをご判断ください。詳しい費用については、お気軽にお問い合わせください。

Q5. 磁気カードで運用している場合、どの機種を選べばよいですか?

診察券の磁気ストライプは表面に配置されているケースが多く、表面への磁気データ書き込みに対応できるのはGRASYSではID200シリーズです。発行枚数が年間800枚未満であっても、磁気カード運用を継続して使用する場合や、新規に導入する場合はID200シリーズを選択してください。

Q6. カードプリンターの耐用年数はどのくらいですか?

使用頻度や環境にもよりますが、GRASYSの目安は5年間または印刷枚数2万枚です。桜井株式会社では選べるサポートパックをご用意しており、保証期間中の修理対応や代替機の貸出しにも対応しています。詳細についてはお気軽にお問い合わせください。



10. まとめ

紙+パウチ運用からプラスチックカードへの移行は、耐久性・即時発行・システム連携のすべてにおいて運用品質を上げる確実な手段です。磁気カード対応の要否を初期段階で正しく判断し適切な機種を選ぶこと、そして運用方式(プレ印刷・フルカラー印刷)を自院の発行スタイルに合わせて選ぶこと。この2点が導入の成否を左右する最大のポイントとなります。


まずは現在の紙+パウチ運用にかかっているトータルコストを数字で確認することから始めてみてください。GRASYSは実機デモンストレーションやテスト印字など無償で承っております。この記事を通じて、自院に最適な内製の形を見つけていただければ幸いです。



bottom of page